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教員紹介:吉田 則裕(よしだ のりひろ)

プロフィール

名古屋大学 大学院情報学研究科 附属組込みシステム研究センター 准教授
(情報システム学専攻 情報プラットフォーム論講座 所属)

個人ウェブサイト: https://sites.google.com/site/yoshidaatnu/home_ja
E-Mail: yoshida AT ertl.jp

研究内容:ソースコード解析技術を応用したソフトウェア開発支援

 私はソフトウェア工学を専門としていまして、主にソースコード解析技術を応用したソフトウェア開発支援手法の研究に取り組んでいます。

 長期にわたって運用される大規模ソフトウェアが増加したことから、保守作業の効率化が重要な課題として取り上げられるようになってきています。大規模なソースコードの保守にかかる労力を軽減するために、私はソースコード解析を応用した様々な手法を提案してきました。以下に、最近行なっている研究を2つ挙げます。

コードクローンの管理支援手法とその実プロジェクトへの適用

 ソースコード中のコードクローン(重複コード)は、保守作業を困難にする要因の1つとされ、数多くのコードクローン検出手法が提案されてきました。しかし、産業界で開発されている大規模ソフトウェアには、膨大なコードクローンが含まれており、全コードクローンを閲覧することは現実的ではありません。
 そこで、新しく作られたコードクローンや変更が加えられたコードクローンを定期的に報告するシステムを開発しました(下図)。本システムを企業の開発プロジェクトにて運用したところ、実際に提示したコードクローンが1つに集約されるなど、保守作業の支援を行うことができました。

コードクローン変更管理システム
コードクローン変更管理システム

リファクタリング支援ツールの開発

 リファクタリングとは、ソフトウェアの動作を変えることなく、保守性の改善を目的としてソースコードを書き換えるプロセスのことを指します。Eclipse等の統合開発環境はリファクタリング支援機能として、ソースコードの自動変換機能を提供するが、統合開発環境の内部で定義されているパターンに従った自動変換しかできないため、ユーザの要求にあったソースコードに変換することが困難です。
 そこで、ユーザが大まかに変換方法を指定すると、要求にあった変換方法を提示するリファクタリング支援ツールの研究開発を行っています。このツールは、Java言語で記述された類似メソッドの対を1つにまとめるコード変換の支援を行います。具体的には、類似メソッドの対が与えられると、その2つの類似メソッド間の差分を基に可能なコード変換の候補を抽出し、凝集度が向上する順にコード変換の順位付けを行います。

経歴

2006年 大阪大学 大学院情報科学研究科 コンピュータサイエンス専攻 博士前期課程修了.
2009年 大阪大学 大学院情報科学研究科 コンピュータサイエンス専攻 博士後期課程修了.博士(情報科学)取得
2009年 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2010年 奈良先端科学技術大学院大学 大学院情報科学研究科 助教
2014年 名古屋大学 大学院情報科学研究科 附属組込みシステム研究センター 准教授
2017年 名古屋大学 大学院情報学研究科 附属組込みシステム研究センター 准教授(改組による)

主要論文

  1. Norihiro Yoshida, Takuya Ishizu, Buford Edwards III, Katsuro Inoue: “How Slim Will My System Be? Estimating Refactored Code Size by Merging Clones”, Proceedings of the IEEE/ACM 26th International Conference on Program Comprehension (ICPC 2018), pp.353-360, Gothenburg, Sweden, May 2018.
  2. 山中 裕樹, 崔 恩瀞, 吉田 則裕, 井上 克郎: 情報検索技術に基づく高速な関数クローン検出, 情報処理学会論文誌, Vol.55, No.10, pp.2245-2255, 2014年10月(情報処理学会論文誌 特選論文).
  3. Raula Gaikovina Kula, Kyohei Fushida, Norihiro Yoshida, Hajimu Iida: Micro process analysis of maintenance effort: an open source software case study using metrics based on program slicing, Journal of Software: Evolution and Process, Volume 25, Issue 9, pp.935-955, September 2013.
  4. 吉田 則裕, 服部 剛之, 早瀬 康裕, 井上 克郎: “類義語の特定に基づく類似コード検索法”, 情報処理学会論文誌, Vol.50, No.5, pp.1506-1519, 2009年5月.
  5. 吉田 則裕, 肥後 芳樹, 神谷 年洋, 楠本 真二, 井上 克郎: “コードクローン間の依存関係に基づくリファクタリング支援”, 情報処理学会論文誌, Vol.48, No.3, pp.1431-1442, 2007年3月.
  6. Norihiro Yoshida, Yoshiki Higo, Toshihiro Kamiya, Shinji Kusumoto, Katsuro Inoue: “On Refactoring Support Based on Code Clone Dependency Relation, Proceedings of the 11th IEEE International Software Metrics Symposium (METRICS 2005), pp.16:1-16:10, Como, Italy, September 2005.

2024年6月26日情報システム学専攻, 組込みシステム研究センター組込みシステム, ソフトウェア工学, 転出・退職, 情報システム学専攻, コンピュータ科学科, 情報システム系

Posted by 吉田 則裕

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