第13回生命医薬情報学連合大会より優秀ハイライトトラック賞を受賞しました。(複雑系科学専攻 難波里子 研究員)


  1. 受賞日:2025-09-05
  2. 受賞名:優秀ハイライトトラック賞
  3. 主催団体:第13回生命医薬情報学連合大会
  4. 受賞者の氏名、所属、職名(学年):
    難波里子 (複雑系科学専攻 研究員)
  5. 連名者:

    難波 里子, 岩田 通夫, 濡木 真一, 大谷 則子, 山西 芳裕

  6. 受賞対象となった研究のテーマ:

    TRESOR: GWASとTWASの融合による希少疾患に対する創薬標的分子の網羅的探索

  7. 受賞概要:

     医薬品開発において、疾患治療に向けた治療標的分子(制御すると治療効果に結び付く生体分子)を同定することは極めて重要である。しかしながら、治療標的の枯渇が深刻化しており、近年の創薬低迷の一因となっている。特に希少疾患や難治性疾患では、深刻な問題である。
     本研究では、疾患のロバストな病態メカニズムを反映するために、ゲノムワイド関連解析データからトランスクリプトームワイド関連解析により構築した疾患プロファイル“TRESOR”を提案する。TRESORと、治療標的候補タンパク質を遺伝子摂動(4,345個のタンパク質の遺伝子ノックダウンや4,040個のタンパク質の遺伝子過剰発現)した際の遺伝子摂動応答トランスクリプトームを融合解析し、希少疾患に対しても高精度で治療標的分子を予測できる機械学習手法を開発した。疾患とタンパク質の遺伝子発現の逆相関を考慮した教師なし学習と、疾患間の類似性を考慮した教師あり学習をベイズ最適化により組み合わせることで、350疾患の治療標的分子を網羅的に予測した。また、既知の治療標的分子がある疾患だけでなく、既知の治療標的分子が全くない希少疾患に対しても、提案手法の有用性を検証した。提案手法は、有効な治療法のない希少疾患に対する新規の治療標的分子の創出に期待できる。

  8. URL:
    https://www.jsbi.org/iibmp2025/iibmp2025%e5%8f%97%e8%b3%9e%e8%80%85%e4%b8%80%e8%a6%a7/

未分類受賞報告, 複雑系科学専攻

Posted by yamanishi@i.nagoya-u.ac.jp