教員紹介:鈴木 泰博(すずき やすひろ)
研究内容
感性・触覚情報学:これまでの情報技術・人工知能では論理やデータをもとにした論理的な知性,人間の脳にたとえるとしたら「左脳」,をつくってきました.わたしは感性をつかさどる「右脳」にあたる部分に興味をもっています.“文字や数字”は「論理的な知性」のためのモノつまり,メディアです.一方で,感性的な知性のメディアとは触覚です.触覚はわたしたち人間や動物のみならず,ウィルスと細胞など分子間の相互作用でも(広い意味での)感性的な相互作用を媒介しています.
文字やデータとちがって感性には「文字」がありません.そこで,感性を記述するためのことば「触譜」Tactile Scoreをつくりました.触譜とは“音楽のメロディーのように,時間変化する触覚”を記述するためのことばです.私たちが,ことばでコミュニケーションしているとき,音の高さ(周波数)と音の強さ(言いかた)をかんじています.触譜は「言いかた・強さ」を取り出して記述するためのことばです.触譜によって,言いかた,や,触りかた,などの感性を情報化することができるようになりました.私たちは,情報化された感性をT-bit (Tatile(触覚)-bit(情報))とよんでいます.
感性・触覚情報学はロボット工学,感性・触覚AI, 医療・ヘルスケア,インクルーシブデザイン,アート・エンターテインメントなど分野横断的に拡がりをみせています.
所属・連絡先
- 複雑系科学専攻/複雑系計算論講座
- email: ysuzuki”at”nagoya-u.jp