Osni Marques先生(米国ローレンスバークレー国立研究所)を招へいしました

大学院情報学研究科価値創造研究センターの外国人客員教員制度により、Osni Marques先生(米国ローレンスバークレー国立研究所 計算研究部門 スタッフ科学者)を、2021年12月から2022年1月まで2ヶ月間、情報基盤センター/大学院情報学研究科情報システム学専攻 片桐・大島研究室に招へいしました。

当初は、2020年4月1日から半年程度の招へいを予定しておりましたがCOVID-19により遅延し、なんとか上記期間にて招へいを行うことができました。

Marques先生は、最先端スーパコンピュータ上での高性能線形代数演算のアルゴリズム、実装方式、および、ライブラリの研究開発を20年にわたり行っている気鋭の研究者です。Marques先生が専門とする固有値解析(特異値分解)等の線形代数カーネルの高性能実装の研究開発は、現在、情報学分野の研究のメイントピックとなっているビッグデータ解析(機械学習を含む)に必須の技術です。この固有値解析(特異値分解)処理は、膨大なデータの相関性を取り、重要情報を抽出するための必須処理でありビッグデータ解析に必要不可欠です。ビッグデータ処理では扱うデータが膨大なため、対象の行列サイズが超大規模となり、メモリ量および演算量が膨大となります。そのため、高性能計算の専門家によるアルゴリズム/実装面からの高度な技法の適用が必要となります。

Marques先生は、 2021年12月23日(木)10:00-11:00 に 「An Overview of the IDEAS-ECP Project and Minimization Strategies for Solving Eigenvalue Problem」と題した、遠隔講演会を行いました。学内外から参加があり、活発な質疑応答がなされました。

図1:オンライン講演会のポスター

この招へいにより、固有値計算アルゴリズムの研究に加えて、数値計算ライブラリの高速化のための自動チューニングの研究、および、情報基盤センターに設置されているスーパーコンピュータ「不老」の利活用の研究も推進できました。また、大学院情報学研究科の大学院生との交流、および、高性能計算分野の国内研究者との交流がなされました。したがtって、学術振興にも貢献できたといえます。

本招へいの成果概要は、価値創造研究センターの「これまでの受け入れ実績」の研究報告書に掲載されております。ぜひ、ご一読ください。

報告者:片桐孝洋(情報基盤センター/大学院情報学研究科 情報システム学専攻 教授)