情報学の研究者たちの喜怒哀楽 (有田 隆也 複雑系科学専攻 教授)
―「喜」喜びを感じる(あるいは最も喜びを感じた)のはいつですか?
好きな研究をほぼ自由にできることや読みたい本をとことん読めること(は恵まれていると感じなければバチがあたりそう).
分野の枠組みにとらわれないところに最初からいるので,別々の理屈や概念がしっくりと融合して理解できて,腑に落ちたときには喜びを感じます.
―「怒」悔しさを感じる(あるいは最も悔しさを感じた)のはいつですか?
基本,ポジティブでないとやっていけないというところが研究者にはあるかも.真っ暗だが歩き続ければ光が・・みたいな.ただ,やはり喜怒哀楽は研究や教育のモチベーションになります.
昔,論文を落とされて,半日で手直しして投稿し(てアクセプトされ)ました.あのときは怒ってました.
―「哀」悲しさを感じる(あるいは最も悲しさを感じた)のはいつですか?
新米の頃,自己紹介的な記事を書けということで,好きなもの/ことという項目に,「光,水,音(しいて言うなら,夏の海)」と実際,正直に書いたら,教授に「有田君,他の人と同じように書いてください」と言われたときかな(名古屋大学ではないです).
―「楽」楽しさを感じる(あるいは最も楽しさを感じた)のはいつですか?
漠然とした表現ですみませんが,実は真っ暗かもしれない(表象不可能とも言うべきかな)ところに向かって,表面的には何らかのロジックを組み立てつつも,実は自由なイマジネーションで取り組む研究は楽しいです.
一回性が大事な人生とか生命とかの本質が論理的に100%解き明かされたらそれはもう人生でも生命でもないというか….