情報学の研究者たちの喜怒哀楽 (石井敬子 心理・認知科学専攻 准教授)
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―「喜」喜びを感じる(あるいは最も喜びを感じた)のはいつですか?
・時間や労力をかけた実験が終わったとき。マラソンで言えばたかだか10km地点ぐらいだというのに、それでも喜びというかほっとした気分になる。
・データの解析を進めていく過程で、この結果はこういうことなのか、いや違う、待てよあれか・・・といった感じで理解が進んでいくとき。
・(長い)査読プロセスを経た結果、研究論文がアクセプトされたとき。特に指導学生が筆頭著者のものは何よりもうれしい。
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―「怒」悔しさを感じる(あるいは最も悔しさを感じた)のはいつですか?
・自分の能力のなさや不甲斐なさを痛感するとき。
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―「哀」悲しさを感じる(あるいは最も悲しさを感じた)のはいつですか?
・思ったように研究が進まないとき。昭和のある刑事ドラマでひいきにしていた刑事の「明日泣くんだよ。今日はこらえて笑ってみせるんだよ」といったセリフの如く、こういうときは泣かずに、できる範囲のことをこなしていくしかない。
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―「楽」楽しさを感じる(あるいは最も楽しさを感じた)のはいつですか?
・自分が思ってもいない角度からのアイディアがポンと出てくるとき。自らの社交性のなさはなかなか克服できないが、研究や教育を通じた他者との交流なしにはこういう楽しさは味わえないと日々痛感する。