教員紹介:宋 玉璽(そん ゆし)

研究紹介

表面や界面に関する研究を行っています。これらは私たちの日常生活に密接に関わっているにもかかわらず、見過ごされがちな現象です。例えば、歩く際の路面の摩擦や衣類の撥水加工、また生体組織内での分子間の相互作用など、目に見えない表面や界面が、私たちの世界を形作っています。

表面と界面は物理的にも化学的にも極めて複雑で、統一された理論体系で記述するのが困難です。その特性は分子の単一層でも大きく異なります。物理学者ヴォルフガング・パウリは「神は固体を作ったが、表面は悪魔が発明した」と述べています。この「悪魔の発明品」を理解するには、分子レベルでの解明が不可欠なのです。

私の研究では、情報学と工学を融合させた新しいセンシング法の開発に取り組んでいます。コンピュータビジョン、機械学習、信号処理、光学などを統合的に活用し、従来のセンシング法の物理的限界を克服することで、これまで観察が困難だった表面と界面の現象の解明に挑戦しています。

特に、ナノスケールの界面、動的な流体現象、生体や化学反応に焦点を当て、電気自動車のエネルギー効率向上や、半導体製造の次世代技術であるナノインプリントリングラフィの産業化に向けての貢献を目指しています。

連絡先など

・ 名古屋大学大学院 情報学研究科 複雑系科学専攻 複雑系計算論講座
・ 情報学研究科棟609室
・ Email: song”at”i.nagoya-u.ac.jp

関連ページ

・ researchmap: https://researchmap.jp/yuxisong
・ 名古屋大学 研究者総覧: https://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/html/100013590_ja.html