教員紹介:鈴木 麗璽(すずき れいじ)
研究内容
バーチャルな物理空間で生物の形と動きを進化させる,スマートスピーカの技術を活用して鳥の歌に潜む相互作用を解明する,何万もの仮想エージェントを動かしてSNS社会での人付き合いの変化を明らかにする.一見すると互いに関係なさそうなトピックですが,情報学の目で見ると,これらには「複雑系」としての共通点が浮かんできます.
我々の研究室では,数多くの要素が相互作用して新しい構造や機能が生まれる「創発」現象( つ主体間の相互作用によってうまれる新たな特徴や構造 )に注目し,様々な人工世界を創って動かすことを通して生命現象を理解する人工生命の考え方に基づいて,生命・自然・社会のダイナミクスの解明と応用を目指しています.
具体的には,生物集団や人間社会における相互作用のルールをシンプルに記述した人工生命モデルを,計算機上に創って動かすことを通して生物進化をはじめとする様々な問いに答えています.現在は、生涯のうちに自らを改変(学習,表現型可塑性)したり,環境条件を改変(ニッチ構築)したりする個体レベルの振る舞いが集団レベルの進化にどう影響するか,人付き合いのネットワーク構造は協力的な振る舞いの広まりとどう関係するかなどに興味があります.また,AI技術を活用して野鳥が歌を介してどのように相互作用しているかを調べる試みも行っています.
体験してみよう
- バーチャルな物理空間で生物の形と動きが進化(被食・捕食系,ソフトロボット)
- さえずりの音風景(マイクロホンアレイによる野鳥の歌の録音のための3Dプレイヤー・アノテーションアプリ.名大稲武フィールドでのウグイスに対するプレイバック実験の様子:プレイバックあり,プレイバックなし)
- 10万の仮想エージェントで表現するSNS社会のダイナミクス(Social particle swarm with FlameGPU)
- 進化の概念を理解するためのWebアプリ(Running star)
所属・連絡先など
複雑系科学専攻創発システム論講座・自然情報学科複雑システム系
e-mail: reiji@nagoya-u.jp
Webサイト