教員紹介:北 栄輔
研究内容
研究室の研究内容は,いろいろあります.それらは,手法と対象によって分けることができると思います.手法としては,応用数学に基づく計算力学,画像判別などの機械学習・AI,確率推定,シミュレーション,進化的計算を含む最適化手法等です.扱う対象としては,構造物,交通,金融,農業等です.扱う問題固有の特性を考慮する必要がありますが,手法×問題で様々なことが対象になると思います.
1.農業(農業×データ科学×シミュレーション )
農作物の安定供給を実現するためには,適切なタイミングで適切な量を供給する必要があります.そうすることによって,供給過多による値崩れ・廃棄物,供給不足による価格高騰を避けることができます.このために, 農学の研究者と協力して,データ科学を用いて,収穫時期や収穫量などを推定する研究を行います.それをICT/IoTと組み合わせることで,需要と供給の両者にとって望ましい生産が実現できるはずです.
http://www.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jp/project.htm#s00
2.交通・隊列走行(交通×シミュレーション×計算科学)
最初は,都市交通などのシミュレータに関する研究を行っており,現在は,隊列走行の制御モデルに関する研究を行っています.隊列走行とは,車両が非常に短い車間距離で走行することによって,交通量を増大することを目指しています.実車を用いて実験が行われているので,テレビなどでご覧になった方もおられると思います.研究室では,車両隊列を構成するだけでなく,車両隊列同士の相互干渉による交通(合流,分流,追い越し)における車両行動・速度制御について研究しています.これらは,ユースケースと呼ばれて,それ毎の適切な制御方法について研究する必要があります.
http://www.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jp/project.htm#s01
3.金融(金融×シミュレーション×進化的計算,確率推定)
最初な,人口市場モデルに関する研究を行っています.その中では,人間の心理バイアスをモデル化シミュレーションを行い,市場の変動について研究をしました.その後,金融データの分析に移りました. 手法としては,時系列分析手法,確率的手法,進化的計算,NN等を用いています.今のはやりは,LSTMなどだと思いますが,研究室においては,ベイズ推定や進化的計算を用いる研究が長いと思います.ベイズ推定は,確率変数間の条件付き因果関係をモデル化する手法です.これを用いて,株価の予測を行います.進化的計算手法を用いた研究では,進化的計算手法によって金融データを推定する関数やプログラムを自動生成する研究を行っています.
http://www.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jp/project.htm#s04
4.その他
行動の画像判別に関する研究,隊列走行実験で用いるロボットの制御プログラムを進化的計算手法で生成する研究,進化的計算を用いてエレベータの制御アルゴリズムを生成する研究,確率推定によるレコメンデーションに関する研究,構造最適化に関する研究などもあります(ました).今後も,いろいろと変わっていくと思います.
http://www.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jp/
- 複雑系科学専攻/自然情報学科複雑システム系
- e-mail: kita “at”.i.nagoya-u.ac.jp