2021年度 情報学部・情報学研究科 オンライン公開セミナー「『情報』の動きの面白さと怖さ」開催報告
名古屋大学情報学部・情報学研究科は、2021年12月4日に、2021年度 情報学部・情報学研究科 オンライン公開セミナー「『情報』の動きの面白さと怖さ」を開催させていただき、3名の本研究科教員が講演いたしました。
私、井原伸浩は、「『フェイクニュース』の怖さ―噓つきだけが問題なのか―」 と題して、いくつかの国々にもたらされたフェイクニュースの影響と、それを防ぐうえでの様々な利害関係者による駆け引きについて講演させていただきました。
鈴木麗璽准教授には、「仲良しグループが長続きしないのはなぜか―モデルと実験で考える人付き合いのダイナミクス―」と題して、人付き合いの構造が移り変わる仕組みやその役割をモデルやゲーム実験等で表して説明していただきました。
石黒祥生特任准教授には、「自動で走るだけではもったいない―自動運転技術が可能にする新しい世界―」と題して、自動運転技術と人が作る新しい世界の様々な可能性や課題について講演していただきました。
公開セミナーには82名もの方々がご参加くださいました。講演後の質疑応答、さらにその後の学部進学をお考えの方のためのQ&Aタイムで、非常に多くのご質問をいただいたうえ、アンケートでも好評のお声を数多くいただくことができました。ご参加くださった皆様、心より感謝申し上げます。
毎年度、対面で開催させていただいている本セミナーですが、昨年度は新型コロナウイルスの影響で開催できず、本年度は、開催はさせていただけたものの、完全オンラインのウェビナー形式となりました。
対面での開催がかなわなかったことは残念でしたが、オンラインだからこそ参加できたとアンケートでお書きくださった方も何人かおられるなど、新しい方式だったがゆえの成果もあったと存じます。そのほか、参加者の皆様から貴重なご意見をたくさん頂戴いたしましたので、今後の同セミナーを開催させていただくうえで、参考とさせていただきます。
私の講演の中でお話しさせていただきましたが、かつて科学者が事実として提示した議論は、容易に一般社会で受け入れられていました。しかし、人々が党派的に「事実」を選別して受け入れの是非を吟味することが多くなった今日では、科学者が得られた知見を積極的に多くの方々へお伝えし、ご理解いただくことが重要となっています。その意味で、今回のセミナーのような機会をいただき、参加者の皆様と質疑応答を通してコミュニケーションさせていただきましたことを、たいへんありがたく存じます。 今後とも、同様のセミナーを開催させていただきますので、ぜひともご参加くだされば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。