IEEE GCCE 2022 Gold Prize in Excellent Student Paper Awards受賞報告(M1 鈴木智大)
この記事は鈴木智大さん(情報学研究科知能システム学専攻修士1年)が、2022年10月20日にIEEE GCCE 2022で発表した内容を、指導教員である藤井慶輔が編集して掲載するものです。内容はスマートフォンを用いた競歩の自動反則判定に関するものですが、鈴木さんは名大陸上部にて、学生日本一を目標に競歩に取り組んでおり、その経験を研究に上手く取り入れました。 この内容については、情報学研究科Webの受賞報告・報道ページでも紹介されました。
毎日新聞:競歩の反則判定、スマホ×AIで 名大選手の論文が国際学会金賞
(https://mainichi.jp/articles/20221205/k00/00m/050/029000c)
メディア報道: https://tamatebako.i.nagoya-u.ac.jp/7352/
受賞情報:https://tamatebako.i.nagoya-u.ac.jp/7347/
研究紹介
自動反則判定は、多くのスポーツで重要な課題です。競歩では、審判がルールに沿って視覚的に反則を判定します(上図)。そのため自動反則判定システムは、審判がいない時にも競歩のトレーニング中のチェックをする時などに役立ちます。いくつかの研究では、センサーと機械学習を使用して障害を自動的に検出しようと試みています。しかし、センサーの取り付けや高速度カメラなどの機器を用いた判定には、審判の視覚的判断と矛盾する問題や、反則判定モデルの解釈可能性の問題がありました。
自動反則判定は、多くのスポーツで重要な課題です。競歩では、審判がルールに沿って視覚的に反則を判定します(上図)。そのため自動反則判定システムは、審判がいない時にも競歩のトレーニング中のチェックをする時などに役立ちます。いくつかの研究では、センサーと機械学習を使用して障害を自動的に検出しようと試みています。しかし、センサーの取り付けや高速度カメラなどの機器を用いた判定には、審判の視覚的判断と矛盾する問題や、反則判定モデルの解釈可能性の問題がありました。
最近ではサッカーのW杯にて機械による判定システムが話題になっていますが、本研究は2つの点で挑戦的です。1つは、競歩のルールを尊重し、人間である審判の視覚による判定を自動化することを試みた点です。もう1つは、多くの学生が持つスマートフォン1つだけで自動反則判定を可能にした点です。世界レベルのスポーツ大会での高価な装置が注目されがちですが、その裾野では多くのアマチュア選手がより良い記録を目指して日々練習しています。私たちは、できるだけ多くの人が利用可能な技術について研究を行っており、可能な限り研究成果やソースコードも公開しています(この記事の最後にリンクを掲載します)。
鈴木さんのコメント
私の研究が一定の評価を得て、素晴らしい賞を頂けたことを嬉しく思います。また、研究と競技の両立に理解を示し、サポートして頂いている周囲の方々に良い報告ができたことも嬉しく思います。研究においても競技においても、実現したい目標に対してはまだまだ道半ばです。研究においては、誰もが手軽にトレーニングを分析できる技術の実現を目指して、日々取り組んでいきたいと思います。
本研究の詳細について
論文全文(ジャーナルにて査読中): https://arxiv.org/abs/2208.12646
Pythonコード: https://github.com/SZucchini/racewalk-aijudge
研究室HP: https://takedalab.g.sp.m.is.nagoya-u.ac.jp/groups/sports-behavior-group