2023年度第2回多自由度コロキウムのご案内
本研究科複雑系科学専攻多自由度システム情報論講座では、東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻助教の谷田桜子先生をお招きして下記のセミナーをハイブリッド形式で開催致します。会場変更の可能性もあるので、現地参加ご希望の方もセミナー参加登録フォームから登録をお願い致します。
2023年度第2回多自由度コロキウム
講演者:谷田桜子氏(東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻)
開催日時:2024年3月28日(木)15:00~17:00
場所:名古屋大学東山キャンパス情報学研究科棟1階第2講義室およびオンライン
講演タイトル:なぜデパートのエレベータは同時に来る?自己組織化現象の数値的探求
講演要旨:
混雑したビルのエレベータが複数台同時に到着することは経験的に知られている。例えば、デパートのエレベータホールでも、何故ほぼ同時にエレベータが来る事に対する仮説を立てている会話を耳にすることがある。運行アルゴリズムの最適化を考える場合でも、このような自己組織化のメカニズムを理解することは重要である。そこで、同時到着のメカニズムを同期現象の視点から考察する。Poisson過程に従って各階に利用客が到着し、地階へ移動する場合の数値ミュレーションを行い、ノイズがある状況下で同期がどのように生じるかを調べた[1]。また、エレベータ間の相互作用の実質的な強さを変えるパラメータを導入し、簡潔な数理モデルで再現した[2]。同時到着に強く影響する要因を明らかにすることで、将来的に運行アルゴリズムの
改善や最適化につながることが期待できる。
参考文献:
1. Tanida, S. (2021). “Dynamic behavior of elevators under random inflow of passengers.” Physical Review E.
2. Tanida, S. (2022). “The synchronization of elevators when not all passengers will ride the first-arriving elevator.” Physica A: Statistical Mechanics and its Applications, 605.
問い合わせ先:時田(tokita@i.nagoya-u.ac.jp)