教員紹介: 吉信 康夫(よしのぶ やすお)

研究内容

公理的集合論を専門にしています。19世紀の終わり頃、ドイツの数学者カントルは「個数」概念の拡張として、集合の「濃度」の概念を導入しました。二つの集合は、その間に1対1の対応があるとき、等しい「濃度」を持つ、と定義したのです。彼は、自然数全体の集合と実数全体の集合の濃度が異なることを明らかにしました。これら二つの濃度の間の大きさを持つ濃度が存在するか否か、という問題は連続体問題と呼ばれ、後にゲーデルとコーエンによって通常の集合論の公理系のもとでは真偽を決定できないことが明らかにされました。新たな自然な公理を導入してこのような決定不能問題を解決しようとする試みは今も続けられています。最近の私は強制公理と呼ばれる公理群の帰結を調べています。また、トポロジーにおける決定不能問題にも興味があります.

所属・連絡先など

  • 数理情報学専攻/自然情報学科数理情報系 教授
  • e-mail: yosinobu “at” i.nagoya-u.ac.jp