情報学研究科ー研究活動紹介
参考情報
各専攻の研究内容を紹介します。研究キーワード中のキーワードをクリックすることで「情報玉手箱」に投稿された関連する記事のタグにジャンプします。
専攻紹介
数理情報学専攻
数理情報学専攻では、自然現象や社会現象を解明するためのデータ・アナリティックスと情報数理モデルに関する知識や能力に重点を置いて情報学の基礎を支える数理科学の研究・教育を行います。近年のインターネットの整備、携帯端末の普及、計測技術や計算機性能の向上など、情報技術の急速な発展により、大量の情報が社会の至るところにあふれています。数理情報学はそれらから意味のある情報を抽出して解析し、それに基づく意思決定を行うために有効な理論と方法を与えます。
この専攻では、広く自然や社会等の実世界における現象をデータ分析から情報学的な視点で理解することにより、数理モデルを構築します。論理的思考力と想像力を駆使し、このモデリングの基盤となる基礎数理を解明し展開することで、現象に対する深い理解と新たな解釈を与え、情報学を深く豊かに発展させてゆきます。そして、これらを通じて、数理科学的方法を身につけて情報学の応用と発展に中核的役割を担う研究者・高度情報技術者を養成します。
数理情報学専攻研究キーワード
メタヒューリスティクス | 量子情報 |
量子基礎論 | 計算量理論 |
組合せ最適化 | アルゴリズム |
数理情報学専攻研究テーマ例
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複雑系科学専攻
複雑系科学専攻では、自然や社会における複雑系を対象とする研究・教育を行います。
「自然や社会における複雑系」とは、「情報」を伝達・変換・蓄積する能力を持つ、分子、ニューロン、エージェントなどの多数の要素が複雑に絡みあうネットワークであり、本専攻においては、「複雑系」を「情報流動」を創出する分散型情報システムとみなして、情報学の観点から研究を進めています。
「複雑系」の大きな特徴は、要素間の相互作用を通して、要素単独の性質からは予期できないような秩序構造や高次機能を動的かつ自律的に生み出す自己組織化にあります。私たち複雑系科学専攻では、こうした構造や機能の自己組織化過程を、“情報流動”のダイナミクスに基づく“情報処理”過程とみなすことを皮切りに、理論・実験・計算の革新的方法を開発適用して普遍的な視座を手に入れ、情報流動の原理を明らかにするとともに実践的な「知」を生み出すことを目指します。
その目標に到達するために、多岐にわたる自然・人間・社会・人工物など実世界の複雑系現象を対象に、多様な革新的方法論の発見・開発・応用に加えて、従来の要素還元的方法にとらわれない、モデル系を「つくることによって理解する」構成論的方法に関する教育を行います。
これらの教育研究活動を通して、実世界の現象をシミュレーションとデータ・サイエンスの視点から理解するとともに、情報流動の原理を新しい分散型情報システムの設計へと応用し、革新的・総合的思考や構成論的思考による新しい発想に基づいて知識や技術を創造できる優れた技術者と研究者を養成することを本専攻のもう一つの目標とします。
こうした知識や能力を備えた人材は、例えば、企業において、シミュレーション、デザイン力を通して、新たな製品やサービスを創造する開発者、政府・官公庁において、戦略立案をシミュレートする専門官などの職業を通じて社会に貢献することが期待されています。
複雑系科学専攻研究キーワード
複雑系科学専攻研究テーマ例
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社会情報学専攻
社会情報学専攻では、新たな科学的知見の獲得や技術的イノベーションとそれらの市民への提供、社会規範の設計、芸術における新価値創造とその社会への定着に関する原理的研究を行います。ICTの利活用によるコミュニティの活性化と科学技術コミュニケーションの質的向上、情報の産出・流通・消費のグランドデザインを構築します。マス・メディアとソーシャル・メディアの相互影響という視点での、新たな人間観・社会観・価値観に基づくメディア・社会・文化の構築を推進します。
国内外の自治体や報道機関・主要企業との共同研究・教育や社会連携を通して、深い学識や卓越した人間力を培い技術と社会のよりよい関係構築に貢献できる人材を育成します。
企業においては、プロジェクトを推進する新たなプロジェクトマネジャー、政府・官公庁においては、利害対立する関係者を調整しWin-Winな関係を築くマネジャーとしての社会貢献が期待されています。
社会情報学専攻研究キーワード
教育工学 | 教育方法学 |
授業研究 | 環境考古学 |
動植物異存体 | 科学実在論 |
心理学の哲学 | 心理学方法論 |
数学の哲学 | 生物学の哲学 |
技術者倫理学 | 科学技術社会論 |
科学コミュニケーション | 社会思想 |
社会文化論 | 政治学 |
政治コミュニケーション論 | 政治情報論 |
国際関係論 | 電子社会 |
ICT応用 | 国際関係論 |
リスクコミュニケーション | 情報倫理 |
芸術 |
社会情報学専攻研究テーマ例
自治体との協働による地域情報化プロジェクト
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心理・認知科学専攻
心理・認知科学専攻は、人間の心を多角的・多層的に理解することを目指しています。つまり、個人の心の働きの解明に加えて、人と人、人と人工物、人や集団と環境との相互作用のメカニズム、コミュニケーションによって創発される現象、心と脳および身体の関わり、人を動物や機械と比較した際の類似性・独自性等の解明です。そのために、心理実験、社会調査、脳活動の測定・操作、コンピュータ・シミュレーション等の多彩なアプローチを用います。
当専攻が育成を目指すのは、心理・認知科学の最新の知見を踏まえて人間の心を広く深く理解し、情報学の先端的な知識・スキルを兼ね備えた人材です。そうした人材は、心理・認知科学における独創的な研究、VR(仮想現実感)やAR(複合現実感)等を応用した新しいシステムやアートの創造、現代社会に表出する複雑な諸問題のエビデンスにもとづく分析・解決等に貢献することが期待されます。
心理・認知科学専攻研究キーワード
認知神経科学 | 社会脳科学 |
社会的相互作用 |
心理・認知科学専攻研究テーマ例
心理・認知科学専攻 に関連する情報玉手箱記事
情報システム学専攻
情報システム学専攻では、社会における利便性、安全性、快適性の向上を実現する情報科学技術の創造を目的として、情報システム学の教育・研究を行います。効率的でディペンダブルな情報システムの設計・開発のために、情報システムプラットフォームおよびソフトウェアに対する理論と技術の基盤を確立し、情報システム学の新たな発展を目指します。また、高信頼アルゴリズムや高度な計算モデルに対する研究に基づき、より高い効率とディペンダビリティを実現する理論と技術の創出によって、情報システムの継続的な進化を探究します。さらに、ネットワーク接続により時間的・空間的にバウンダリレスとなった巧緻な次世代情報システムの設計と開発に適用できる情報システム学の教育・研究を通じて、情報システム構築の指導的な役割を担える高度情報技術者と、情報システム学の発展を担える研究者の育成を行います。
情報システム学専攻研究キーワード
スーパーコンピュータ | 高性能計算 |
自動チューニング | 大規模AI |
量子コンピュータ | 組込みシステム |
セキュリティ | スケジューリング |
車載システム | プログラム検証 |
並列計算 | プログラミング言語 |
プロセス計算 | 項書換え系 |
難解言語 | 自動採譜 |
組合せ最適化 | SATソルバー |
情報システム学専攻研究テーマ例
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知能システム学専攻
知能システム学専攻では、実世界情報の取得・富化・循環のための理論と技術について、人間の知性・感性・身体と情報システムとに跨る領域で探求するための研究・教育を行います。
基盤となる理論と技術として、画像・映像、音声・音響、行動信号、自然言語などの処理、応用人工知能、応用データサイエンスなどが、知能処理システムを設計するための理論と技術として、知的ユーザインタフェース、人間支援技術、データアナリティクスなどがあります。また、様々なフィールドで知能システム学を社会実装するための理論と技術として、医療情報、法・歴史情報、教育情報などの処理に関する研究も行います。
このような知識や能力をもつ人材は、既存技術やツール・フレームワークを有機的に組み合わせて新製品を素早く生み出す技術者、公共サービスに革新をもたらす担当者、上記の各分野の研究者などの職業を通じて、社会に貢献することが期待されます。
知能システム学専攻研究キーワード
自然言語処理 | データ科学 |
法制執務支援 | 法情報処理 |
対話システム | IoT |
ウェアラブル | ユビキタス |
看護支援 | 技能解析 |
技能伝承 | 人工知能(AI) |
知能システム学 | 仮想現実(VR) |
オンライン講義 | 高齢者支援 |
知能システム学専攻研究テーマ例
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